Short.U

□oui play
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人気が少なくなった放課後、私は部員が帰った音楽室に1人。

正確に言うと、顧問の先生と、2人。

そんな私たちの前には、私たち以外誰も知らない楽譜があって。




「そういえばお前、入部したての頃さ、楽譜の音符見て“キャンディーみたい”って言ってたよな(笑)」




なんて思い出したように笑い出した先生に見惚れながら、私はあくまで“生徒”として返す。




「初心者だったんだもん、仕方ないじゃん!でも、今でもキャンディーに見えるよ。てかよく覚えてるね、先生?」

「当たり前だろ、忘れるはずない」




ねぇ、それはどういう意味?

おかしい生徒だと思って忘れられないの?

それとも・・・




「さ、早くこの曲完成させるぞ!」




私も先生も、この曲には凄い力を入れてる。

求めるのは最高のメロディ一。

ピアノを奏でる先生とギターを弾く私の音がロ一テ一ションする。

ピアノはドレミ、ギターはABC。

流れるメロディーに酔いしれる。

この曲に対してなのか、先生に対してなのか。

この熱い気持ちを脱がしたら・・・先生の好きにしてよ。

なんて、気持ちのオクタ一ブ上げて。



キーンコーン・・・




平凡な学校のベルの音。




「もうそんな時間か、早ぇなー。・・・帰るか」




独り言のようにぼやく先生は、答えを求めるように私を見つめる。

帰ったら、暖かい家が待ってる。

・・・けど




「・・・・・・」




Tell me more about special days


もっと特別な日を教えてほしくて。

1度持ったカバンを置いた。




「・・・もう少しだけ」




他の部活が終わったのか、校庭から笑い声が響く。




「・・・いいのか?」




ダメとは言わない先生だって、別に帰ろうとなんてしてない。

それがどんな意味かなんて、聞かなくてもお互いが分かってる。

私には彼氏がいるし、それなりの青春を送ってる。

でも




「・・・うん、いい」




Tell me more about special story


もっと特別な物語を教えてほしいから。

先生に・・・教えてもらいたいから。




「・・・練習続けるぞ」

「・・・うん」




先に帰って、と部活が終わったであろう彼にメールを打つ。

まだ帰りたくないから。

ここに、先生と・・・まだ一緒にいたいから。

1時間、なんて言わないで。

もっと奏でたいよoui play


End.


あとがき

とあるアーティストのとある曲を元に書いてみました。
これは曲の1番の方を書いたので、2番の続編を書こうか迷ってます。
誰のどの曲か気づいた方で何か違うと思っても、あくまで私の作品として勝手に書いたものですので受け流して下さい!
アーティスト名と曲名を載せる気はありませんので、答えを求めることはご遠慮下さい。
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