NARUTO Short.

□好きだから
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そんなのえに、抑えていた気持ちを止められなかった。




「・・・ふざけんな」

「、え・・・」

「勝手なこと言ってんじゃねぇ。のえがどう思おうと何だろうと、俺はのえが好きだ!」

「っ・・・!」

「つーか何だよ、嫌いって・・・。訂正しろ」

「だ、だって・・・」

「だってじゃねぇ!・・・俺の気持ちも知らねーで・・・・・・」




俺だって、思う。

のえに会いたいって、顔が見たいって。


でも、行ったら多分、気持ちが止まらなくなりそうで・・・のえを傷つけそうで怖かった。

だから、約束した日以外は会わないって、俺の中で葛藤があったんだ。


そんなこと本人に言えるはずもなく、だけどまさかそれがのえに寂しい思いをさせていたなんて。

もう、気持ちがぐちゃぐちゃだ。




「、ごめん、ね」

「いや・・・俺も、ごめんな、」

「・・・嫌い、なんて・・・嘘。すき・・・っ」

「・・・・・・」

「好き、だよ・・・!だから、だから・・・」

「俺も好きだってばよ、のえのこと。ちゃんと好きだ」

「・・・だったら、」

「だからこそ・・・行けなかったんだってばよ、」




最後の方は声が掠れてて。

でものえは分かったように俯いて頷いてくれた。

完全に分かってもらえたわけではなさそうだけど、好きだという気持ちは分かってもらえたんだと思う。




「・・・しょーがないなぁ、我慢、してあげる」

「・・・サンキューな。・・・まぁ、この状況も、結構ヤバかったりするんだけど・・・」

「え?なに?」

「いいいやいやいや!!何もない!何もない!!」




慌てて首を振る俺に、何だろうかと首を傾げるのえ。

蛇の生殺しとはこのことだと改めて実感するとともに、やっぱりまだ何も分かっていないのえには何も出来そうにないと確信した瞬間でもあった。


男の部屋に好き合っている男女がいて・・・ましてや彼女は可愛らしい寝間着姿で。

分かって欲しい、俺のこの葛藤。


そんなこと知る由もないのえはいつの間にか俺のベッドに横になって、満面の笑みで俺においでおいでをしている。



くっそ〜・・・。



何も言えない俺は、今夜も大きな葛藤を決意して彼女の隣に添い寝する。




「ナルト、」




掛け布団を鼻まで掛けてのえは俺に目線を向ける。




「な、なに・・・?」




そして




「大好き。・・・・・・お、おやすみっ!」




と、恥ずかしそうに今度は頭の先まで布団を被って俺に背を向けて寝てしまうのえ。

残された俺はどうしたらいいのか。




「・・・本当、勝手なやつ」




布団ごと背中から抱き締めることで精一杯な俺を、こうして留める俺を、誰か褒めて欲しいくらい。

そんな葛藤に今夜もどうにか打ち勝つことが出来たとある満月の夜。



End.


あとがき

メールの新規メッセージに下書き保存で書きました!
ちょっと落ち着いたナルト・・・ん〜変かな?たまにはいいよね?
でもこんな深刻な感じになる予定ではなかったんだけど・・・まぁいいか。
さー寝よう(え、今から?)


2014.2.16(日) 6:57
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