NARUTO Short.
□大切だから
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容姿は完璧で運動神経もよく、勉学も出来る方。
そんな彼がモテないはずがなくて。
選べる女の子なんてよりどりみどりなはずで。
でもそんな彼は・・・何故か全てが平凡な私を選んでくれたのです。
「・・・おい」
「わっ!な、何?」
「また変なこと考えてんじゃねーだろうな」
デートの帰り道。
人通りのない道を2人で手をつないで歩いていると、サスケが私の肩を自分の肩でつついてきた。
「べ、別に何もっ?」
「・・・そうかよ。まぁいい、さっさと帰えるぞ」
サスケは私が言いたがらないことは絶対無理に聞き出したりしないし、全部私に合わせてくれる。
きっと、私が今まで付き合ったことがないから。
「じゃあな、すぐ寝ろよ」
私の家の前まで送ってくれて、サスケはゆっくり繋いでいた手を離す。
名残惜しいって思ってしまう。
いつもは私も笑顔で、楽しかったよありがとう、気をつけて帰ってねって言えたはずなのに。
今日は何だかその手を離したくなくて・・・指先を掠めた彼の手を、今度は私から繋いだ。
「・・・今日、泊まってって?」
サスケの目が驚いたように少し見開いたが、すぐに普段の目つきに戻る。
「・・・それがどういう意味か分かって言ってるのか?」
「どういう意味、って・・・?」
「・・・分かってないなら尚更ダメだ。また今度・・・」
サスケの言葉が詰まった。
それは私が彼に抱きついたからで。
普段の私じゃ考えられないような行動に、サスケは渋々泊まることを承諾してくれた。