NARUTO Short.
□おなじおと
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ある任務帰り、木ノ葉の里まであと少しという時だった。
「ん・・・雨?」
ポツ、と私の右頬に一粒かすったかと思えば、みるみる内に雨は勢いを増し、1分も立たない内に土砂降りになった。
「あの雲ゆきからしてこうなるとは思ってはいたが・・・」
今回の小隊長であるカカシがため息混じりに呟く。
これ以上足場が悪くなる前に、と、私たちは木の葉へ急いだ。
1週間の長期任務だった私たちは火影様へ報告を済ませ、この後は各々家路につくことになる。
「・・・どうするの、」
「え?」
「この後。」
火影室を出て小隊のメンバーが解散になり、今はカカシと2人きり。
今にも雷が鳴りそうな空を見上げるカカシが私に問いかける。
カカシは気づいてる。
私が、このまま帰れないことを。
「そろそろ鳴るかなー、雷」
「・・・・・・」
「結構荒れそうだな、今夜は」
「・・・・・・」
「もしかしたらどこかに落ち・・・」
「もう、わかったから!!」
何が、とカカシが私を見下ろして尋ねる。
そんな彼のマスクの裏側は間違いなく笑っている。
・・・・・・確信犯め!!!
それでも私は彼の思惑にハマるしかない・・・自分の為にも。
「・・・今夜、泊めて・・・?」
素直に雷が怖いことを認めれば、待ってましたと言わんばかりに唯一見えている右目が優しく笑う。
そのまま私を抱きかかえたカカシに、私は身を任せて目を瞑った。