NARUTO Short.
□健気な君に
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「わっ!」
バッシャーン!
ガンッ!
火影室から出て歩き出そうとしたら、後ろで何か大きな音がした。
「な、何だ・・・?」
振り向くと、バケツが見事に転がり廊下が水浸しになっていて、誰かがうつ伏せに転んでいる。
髪の長さからして、女であることは間違いなさそうだ。
うわー・・・こりゃ間違いなく顔面打ってんな・・・。
それにしても、この廊下のどこにつまずく要素があるのだろうか。
「おい・・・大丈夫か・・・?」
目撃してそのまま立ち去ることは出来ず、内心めんどくささを感じながらも駆け寄った。
「うっ・・・い、痛い・・・」
泣きながら顔面を押さえてモソモソ起き上がる。
激痛のせいか身体が少しフラフラしていたので、背中を支えてやる。
「・・・ちょっと手、どかしてみろ」
その女は、痛みのあまり手を離すことが出来ないのだろう。
両手で顔を押さえながら頭を横にふった。
「・・・はぁ。仕方ねぇ、五代目んトコ行くぞ」
俺はそいつの腕を掴んで、出たばかりの火影室に戻った。
「はぁ〜・・・」
大きなため息を吐く五代目。
とりあえず、先程のケガには処置してくれた。
「騒々しいと思えば・・・またお前か」
「す、すみません・・・」
先程の女は、恥ずかしそうに頭を下げる。