NARUTO Short.
□気持ちに気づく瞬間
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ピンポーン
「ん?はーい!」
今日は急遽任務がなくなり、久しぶりのオフになった私は特に予定もなく、自宅で雑誌を読んでいた。
ドアを開けると
「あれ、キバっ?」
「よぉ」
アカデミー時代からの友人である、犬塚キバが立っていた。
「どうしたの?キバが家に来るなんて久々だね」
「いや、特に用はねーんだけどよ。今日はオフだって聞いたんで、どーせ暇なんじゃねぇかなと」
「へへ、当たり!さすがキバ!どーぞ、上がって」
「おう、お邪魔するぜ」
家の中に入ったキバは、キョロキョロと辺りを見渡す。
「ちょ、ちょっとキバ、あんまり見ないでよ」
「だってよー、最後にのえん家来たのって2年位前だろ?あんま変わってねーのな」
「そんな前だっけか?いつもキバん家行ってるから全然気にしてなかったなぁ」
アカデミー時代はもちろん、今でもオフの日や任務前後、そして任務が一緒の時など時間が少しでもある日は、決まってキバの家にお邪魔している。
今更お互いを変に気遣ったりすることはなく、いい意味で気楽でいられる。
「だったら、何で今日は家に来ねぇんだよ?」
「うーん、急なオフだし、キバもいないかなって思って」
「いつもなら、んなこと全然気にしねーで来るじゃねぇか」
テーブルの上に飲み物を置きながら、私もキバの隣に座った。
「そうなんだけど・・・何でだろ、何か今日は行く気にならなかった・・・っていうか、正直思い付きもしなかった」
「は・・・?どーいう意味だよ、それ」
キバが怒っているのはすぐに分かったけど、その理由がわからない。
そして、普段の短気な感じではない、ということも分かった。