頂き物

□愛が恋に変わるその日まで
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あたしが彼女に恋する理由なんて、凄く簡単な事だったんだと思う。







『ルカ、おはよう』
「おはようございます、マスター」


ふわり、上品な笑顔を向けられれば、あたしの小さな胸がトクン、と脈を打った。
このときめきが、ルカに届けばいいのになぁー。とか内心では、そんな事を考えているんだけど、表には出さない。出せない。


『ルカは、本当上品だね』
「そ、そんな事、ありませんわ・・・」
『ううん、そんな事あるんだよ』
「そうでしょうか?」


『うん、そんな所も好』き。最後まで言ってしまう前に言葉を飲み込んだ。間違っても、好き、だなんて言ってはいけない。
言ってしまえば、きっと、戻れない。そんな気がしてならなくて。




“好き”にも色んな意味がある訳だけど。




「・・・マスター?」
『あ、ごめん。考え事してた』
「悩み事ですか?」
『うーん・・・。ま、ルカは気にしなくていいよ』


にこり、笑ってみせる。作り笑顔は得意な方なんだけど。
大丈夫かな、あたし、笑顔引きつってないかな。なんて不安が募る。だって、ルカの表情が珍しくも曇ってるもんだから。


「マスター」
『ルカ?』
「私、マスターの事、好きです」
『・・・っ』
「だから、マスターの・・・お役にたちたいの、です」


好き、なんて言われて嬉しくないと言ったら嘘になる。
だけど、ルカの好きは、あたしにとったら痛い物に過ぎない。だって、ルカの好き、は家族としての愛情なんだ。あたしの好き、とは、また違ってくるわけで。


『うん、ありがとぅ』
「ですから、一人で悩まないで下さいまし」
『うん・・・』


『ごめんね』その言葉は、心の中だけで呟いておく。

 今は、まだ言えない。

彼女の感情が、“恋”に変わるなんて断定は出来ないけど、彼女の感情が変わってくれるその日までは、あたしの好きは、閉じ込めておく。


『ルカ、ありがとう』






(今は、まだ)(伝えたらいけない)(だなんて、結局は逃げてるだけなのかもしれないけど)







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いや、なんかシリアスちっくになってしまいました( ´;ω;`)本当は、甘めにしようと思ったのに、気が付けば、あれ?的なorz
きっと、砂糖とスパイスをいれ間違えたんだね←違
こんな駄作ですが、そら様に捧げます!

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