novel

□the Land of the Covenant.
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いつもの道をいつもの時間に歩いて学校に向かう。決してアイツに遭いたいからなどではない。ただ、この時間に家を出た方が丁度良い時間に着く。そこに丁度良くアイツが現れる、それだけだ。







「神田!」







──来た。


本当にこの時間ぴったりにアイツは現れる。






「おはようございます。」








にこにこと人当たりの良い笑顔で話し掛けてくる。俺の、恋人。





「あぁ…。」






俺は素っ気なくもちゃんと返事をする。









初めてここで遭った時、制服は同じだと気付いたが見たことがなかったから年下か、なんて思っていたらいきなり告白された。



いきなりの、何より男からの告白に俺の頭は真っ白になり、






「…俺は男だ。」







呆気にとられた顔で、気が付いたらこう答えていた。





女に間違えられることは、普段からよくあった。だが、いつもだったら相手を思い切り睨み、話し掛けてきたことを後悔させてやるのに…。何故か、こいつにはそんな気が起きなかった。年下だからだろうか?それとも突然現れた白に驚いただけなのか…。





「知ってますよ。」




でも、好きなんです。





そう言ってくるアイツを無視して歩き出す。初対面なのに平気でそんなことを言うヤツなんて、信用できない。







「待って下さいよ〜!」








それでもヤツは退かなかった。その後もしつこく俺に付きまとい、アタックしてきた。折れたのは、もちろん俺。でも本当に嫌なら付き合ったりしないってアイツも分かっているだろう。





──────────











「……何考えてるんですか?」






ヤツの声で、ふと我に返る。








「別に…。」






スタスタと歩き続ける。







「ねぇ。たまには乗って行きませんか?」






そう言って自転車の荷台を指された。俺が乗るとしたらサイズ的に逆だろ、なんて思うがあえて口にはしない。






「いい。」







きっと校門の前に立っているであろう教師に注意されるのも面倒だし、歩いた方が長く一緒にいられる。…なんて、口が割けても言えない。






「なら、神田。今日は部活休みですよね?僕奢るんでお蕎麦食べに行きません?」




「…そんなに俺を乗せたいのか。」







まぁ、一緒にいられるなら二人乗りしたって構わないが…








「だって、デートしたいじゃないですか。」




へらっと笑うアイツ。






「…しょうがねぇな。」







俺だって別に嫌ではないんだ。ただ、恥ずかしいだけ。いつも積極的なコイツに助けられているのだから…。



学校に着くと別々の教室に向かう。





「じゃ。神田、また後で!」







眩しい笑顔。きっとその"後で"というのは休み時間とか、昼休みとかの話だろう。






「あぁ。」






──また後で、な。






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