拍手ありがとうございます(^^)!
拍手お礼文「七組のやつらが麺類を食べました」
パスタver.とラーメンver.があります
<パスタver.>
それはいくら歩み寄っても逃げていった。
こんなにも俺は努力しているのに、どれほど絡めようとしてもするり、と俺の手から逃げていく。
何度も手を差し出すのに、引き上げようとするのに、それはいとも簡単に解けてみせるのだ。
俺ではだめなのだろうか。どうすることも出来ないのだろうか。
何故だろう。こんなにも巻きつけようと、留めておこうと思うのに、一向にその願いは叶わない。
うまくいかない。どうして俺だけ、
「…んでお前らそんなにうまいんだよ」
「…いや阿部が下手すぎるんだろ」
「くっそこんなん箸だったらすぐいけんのに…!」
「いやパスタを箸ではNGでしょ」
「うあああいらいらする…パスタまじうぜぇ」
するり、逃げていくそれをいとも簡単に巻きつけてみせる花井と水谷。
何故だろう。俺はこの細い麺に嫌われているのだろうか。
さっきから回転を続けるフォーク。
巻きついたかと思い引き上げればするんと解けて皿の上に着地する。
「おい水谷、そこのかごに箸入ってないか?」
「さすがにないよ。てか箸だめだって」
「頑張れよ阿部。スプーンも使ってみるか?」
「使い方がわかんねぇよ」
いらいらいらいら。こっちは腹減ってんのに。
再度挑戦する。くるくるしてみる。
…あれ、巻き終わらない。あれあれ。
「ちょっと阿部、そんなに沢山巻いたら口に入らないって!」
「クソレ笑ってんじゃねぇ!好きでこうなってんじゃねぇんだよ、ちょ、花井どうしたらいいコレ」
「あー…、一回解くしかないんじゃね?」
「くっそ…!」
フォークから開放された麺たちは、それでも形をくずさず皿の上で丸くなっている。
その山の側面にフォークを突き刺して回転を始める。
絶妙に絡んでいたのか、山ごとごっそりフォークに絡まる。意味なし。
「うわー悪循環!もう何か阿部のパスタかわいそうになってんじゃん」
「俺は断じて悪くない」
「なんでもいいから早く食えよ…」
だってこいつらが俺に食べられてくれないんだ!
大体なんで花井と水谷は普通にパスタを食べられるんだ。
あいつらだって日本人なのに。イタリア人じゃないのに。
…そうだ。俺日本人だしここは日本だ。
「悪い。パスタ的に行儀悪いけど目を瞑ってくれ」
「は?」
もうラーメン・蕎麦式でいいんじゃないかな。
食べれればそれでいいじゃない。
だって日本人だもの
(おい阿部パスタを吸うな!)
(じゃあどうやって食えって言うんだよ!)
(頑張れよ!)
(無理だ!)
阿部は他の躾は完璧なのに、パスタは食べるのが下手だといいです。にやにや。
.