過去拍手小説

□2009・04・16
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――感謝の気持ち――

珍しいことに、朝から幽助がパソコンをいじっていた。
いや、珍しいどころか、蔵馬の記憶によれば初めてのことである。
桑原にパソコンを使ったことが無いのをバカにされたらしく、朝方帰ってくるなり蔵馬は叩き起こされていた。
結局、蔵馬が出勤するまでの時間簡単に教えるはめになっていた。
「ただいま。ごめん、遅くなって……?」
いつもついているはずの電気がついていない。
今日は屋台引かないと言っていたのに……
微妙に青白い光がチラチラしているのが確認できて、そちらへと足を進めてみる。
テレビでも見てるのか? とは思うものの、幽助はほとんど格闘技番組しか見ない。
こんな時間にやってる格闘技……プロレス?
「幽助?」
ついていたのはテレビではなくパソコン。
幽助はその前に伏せって寝ていた。
一体何時間パソコンをいじっていたのだろうか?
早朝からずっと?
食事すら、とった形跡が無い。
「興味持って夢中になるのはいいことだと思うけど。……?」
ふと、モニターへと向けた視線が止まる。
カーソルの先には、
『ありがとう 鞍馬』
の文字。
思いがけないメッセージにクスッと笑みがこぼれる。
今日キーボードをいじったばかりの幽助なりに頑張ったようだが。
――パソコンの前に、漢字教えないとだな。
そう心の中で呟いて、目を覚ます気配もないその人にそっと上着をかけた。


――管理人より。
拍手ありがとうございます。
まだまだ内容の少ないサイトですが、興味を持っていただいただけでも嬉しいです。
本当にありがとうございます。
拍手小説もちょっとずつ更新予定ですので、よろしくお願いします。

今回の音楽。 『LOVE〜winter song〜』 @ 福原美穂

2009・04・16  森 優菜

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