短編

□よかった。
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《………ッッ、すぐ行く…》



低い声が無線機から聞こえた。











* * *







「…………ん」




あれ…私……?




「笠原!?」


「郁っっ!!」





目を開けると私は病院にいた。



「あたし……死んで、ない?」



「バカっ!!本当に心配したのよ!
…………ありがとう笠原」





柴崎は目に涙を浮かべ私を抱きしめた。






「………あ、私より心配してる人が
ここに一人いるのよね」



「へっ」




柴崎はそう言うと篤さんを見た。





「あ…篤さ…「馬鹿野郎…………」






篤さんは私が言い終わる前に
口を挟み少し痛いくらいに私を
抱きしめた。





「…………心配すぎて…
どうにかなりそうだった……。」



「篤さん…」



「まぁお前のことだから
死ぬようなことはないと思ってたが」



「ちょっと!それどういう意味…ったぁ………」



「馬鹿、傷開くぞ」






そう、あの後駆けつけた篤さんは私をお姫様だっこして運んでくれたらしい。
………お姫様だっこだなんて篤さんったら……。
柴崎曰く物凄い形相だったって……





迷惑はかけちゃったけど正直に嬉しかった。






ありがとう、篤さん。




「まったく…アツいわねぇ」






そして彼はもう一度言った。
「本当に無事で……よかった。







Fan..
(ごめんなさい篤さん)
(……………あぁ)
(篤さん、)
(もういい。お前が無事なら)
(ちが…いだだだだ苦しい苦しい!
ヘルプミーィィィィ!!!)

(……これコントなのかしら)
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