□君と話がしたい
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本当は、優しくしたい。
けど僕は天の邪鬼だから、上手に出来ない。

だから、僕は下手な接し方しか出来ないんだ。



『君が変な事したら、僕はすぐに斬るからね』

『沖田さん…』



本当は話がしたいのに。
今日は暖かいね、とか一緒に散歩したいとか、お茶が美味しいとか、優しい会話がしたいのに。
僕は、上手に出来なくて。

君の笑顔が見たいのに、僕の瞳に映る君は怯えていて。君の瞳に映る僕は嫌な笑い方。


優しい言葉を出せない僕を君は嫌いだろうね。



『取り込み中すまない、雪村君。今良いだろうか』

『山崎さんっ』



山崎君の姿が見えたとたんに君は、ぱっと笑顔になるんだ。
僕は知ってる。
君はずっと前から山崎君を想っている事。
そして、山崎君も君を想っている事。

二人の間には優しい空気が纏っていて、君達がお互いをどんなに大切に想っているかすぐに分かるよ。





僕は、君と話がしたい





君と話がしたいんだ。
















(完)


20110514

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