〃   至陽

□三話
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至陽

3



グレートフォックスに戻ると、ファルコとペッピーが待ちわびた表示で座っていた。
大画面には、ペパー将軍の姿が投影されている。

「全く…紫外線注意報が発されたから直ぐに来るかと思っておったのに…」
「ごめんごめん、ペッピー。で、任務とは?」
「よく聞けよ。今やご立腹だからな!」
『そんな、起こってはおらん。が、急いではいる…』

画像データが受信され、惑星サウリアの様子が映し出された。
今回は、再びサウリアに行くことらしい。
しかし、見た途端フォックスの顔が青くなった。

「これは…、嘘だろ!?」

惑星が分裂している。それも更に酷く広範囲に広がり、大きな亀裂も中心を穿っていた。

『太陽の陽射しが起こした気候変動と、スペルストーンが再び奪われた事で…またもや…』
「クソッ…一体誰が!?」

前回はアンドルフ操るスケール将軍が持ち去り、形を保っていたもののバラバラにされた。しかし今回、そんな悪意を抱く輩は聞いたこともない。

『犯人が特定できんのだ。だから、この度は五人全員に引き受けて貰いたい。』
「待ってください将軍!俺も向かうのですか?軍の隊長ですよ!?」

ビルは軍に無くてはならない存在であり、今席を外してはもしものことに備えられない。将軍も承知のはずだ。

『いいや、スターフォックスに力を貸せるのは君だけだ。友人なのだろう?』
「そっ…そうですが…」
『婦女誘拐で緊迫してる中に大事件が起こるとは考えづらい。頼む。』
「………っ、了解しました」

渋々頭を下げた。そんな格好を見たファルコが背中を叩く。

「んなお前一人居ないくらいで弱くなる軍じゃねぇだろ?ほら、急ぎならサウリアへ行くぜ!!」
『引き受けてくれるか?じゃないと困るがな』
「勿論です将軍!攻略法はフォックスが解ってる。あとは犯人探しだ!」

ファルコは拳を手に打ち付け気合いを入れた。地上戦は苦手らしいのだが。

「いつもより元気良いな、ファルコ」
「当たり前だ!初めてサウリアにゃ上陸すっかんな、前はアーウィンに乗ったままだったし。」

珍しく好奇心は強く、自ら進んで出てきた。

「将軍!俺達に任せろ!」
『あぁ。あと…出来れば、ブラスターは使わないで欲しいのだ。』
「なっ…何故ですか!これは調査ではない筈…」
『それが…、前回分裂が起こった際に銃で脅されたらしくトラウマになっている恐竜が多いらしい…』
「…っ!」
『警戒されるとまずいだろう。奴等は力が強い。』

だから調査のとき持たせなかったのか。

『各々で武器を考え行って頂きたい。条件はこれだけだ、頼むぞ』

最後に一言言い、将軍の通信が切れた。
さすがにこのまま放っておけないので、急いで出航の準備をした。

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