長編小説 瞑月
□六話
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瞑月
6
フィチナへ完全に日が差した朝。ペッピーがまだ眠っているのを良いことに、ナウスに出撃を要請した。
然しやはり、彼はロボットらしくなく拒否をする。
「駄目デス。奇跡ハ二度起コリマセン」
「出してよナウス!お前日頃の手入れの恩はないのかよ!無事だったじゃないかぁ!」
「ナリマセン」
「行っても損傷はしなかったのに!」
「私ハアナタ達ノ身ヲ按ジテ言ッテイルノデス」
「…っポンコツ…」
「ポンコツヲ生ンダノハ誰デスカ」
「うっ…。言うこと聞けないなら電源落とすぞ!」
「スリッピー!」
ファルコが止める。調子乗りのスリッピーは、どうにも優位にあるナウスには強く当たる癖があるらしい。
「ナウスに経緯を言うんだ。そして、くれぐれもペッピーの耳に届かねぇ様にしろ」
「…うん…」
見守られながら、現状を話し始めた。
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