新選組BL小説
□紫陽花
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今日も雨か…。
こう雨が続いちゃ見廻りにも行けやしねぇ。
庭先に咲いてる紫陽花は、もうどのくらい長い時間咲き続けてんだ?
そんな風流な事まで、考えちまう。
『新さん』
すぐ側に平助が来ていた。
『なんだ?平助。お前もヒマしてんのか?』
『うん。隣に座っていいかな?』
『ん?あぁ…』
平助は年下で俺によくなついてくる。
他のヤツとの接し方と違うというのも気付いてる。
平助は俺に気があるようだ。
俺は女が好きなんだけどねぇ。
どうも平助の笑顔には弱いらしい。
助けてと言えば助けちまう。
側に来たいと言えば許しちまう。
平助に新さん新さんと言われればつい甘い顔をしちまう。
『新さん、新さんの膝で寝てもいい?雨の音を聞いてたら眠くなっちゃったよ』