Short Story
□もしも
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「お兄様?」
「こんなところで寝たら風邪ひいちゃうよ、兄さん」
瞳を開けると眩しい光が一斉に降り注ぐ。
サワサワと心地よい風がルルーシュ頬をなで、木々を揺らした。
「ん・・・」
ルルーシュは目を擦りながら小さく声を漏らした。
「お兄様ったら、また体育の授業をサボっていらしたんですね!」
ナナリーが頬をふくらませる。
「またヴィレッタ先生に怒られちゃうよ・・・」
ロロは不安げに眉を潜めた。
「ナナリー・・・ロロ・・・」
妹のナナリーと弟のロロはしっかりと目の前にいる。
ではさっきまでのは・・・
ルルーシュはフッと笑う。
「おもしろい夢を見たな」
「夢?どんな夢を見たんですか?」
ナナリーが目を輝かせながら聞いてきた。
「日本がブリタニアの植民エリアで俺がゼロになるんだ」
「意味がわかりません」
「今度ゆっくり話すよ」
そうだ。
今度スザクも呼んで詳しく話してやろう。
楽しくて、
悲しくて、
切なくて、
優しい物語を。
−End