十一番隊 壱
□出逢い
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※名前変換ありません
今年こそ、素敵な出逢いがありますように・・・
何より強さを求める十一番隊にいるくせに、こんなことを願う私は隊士として失格かもしれない。
でも、私だって一応、女の子・・・なんだし。
休憩中に外の空気を吸いに、中庭の木の下で寝っ転がって雲を見ていた。
昨日は肌寒かったけれど、今日は天気が良くていい日差し。
・・・ん?近付いてくるこの霊圧は、可愛いウチの副隊長。
「あっ、Sちんー。こんなとこで何やってんの?つるりんが呼んでたよっ」
「ええっ、一角さんが?何だろ。ありがとうございます。やちる副隊長」
「うん、じゃーね。おやつ用意しておいてねー」
やちる副隊長は、女性死神協会の集まりに出掛けて行った。
やちる副隊長を見送ると、私は急いで執務室に戻った。
「遅せぇっ!!」
執務室に入ると、仁王立ちして私を睨む第三席が待ち受けていた。
「・・・すみません。でも、私休憩中だったんですよ。一角さん」
「お前、最近やる気あんのか?入隊当初はもっと骨のあるヤツだと思っていたのに、最近、修練場に顔出す回数が減ってるぞ」
そんなに青筋立てて、怒らなくっても・・・。
でも、この人の剣幕に頭を下げて謝るしかなかった。
苛ついた一角さんの声が頭の上から聞こえた。
「ちっ、だから女ってヤツは・・・」
― カッチーン!!
切れた。
堪っていた鬱憤が、私の口からどんどん出てくる。
「ちょっと、お言葉ですけど、一角さん現世任務で居なかったでしょっ!!私だってもっと鍛えたいけど、この隊で事務仕事誰が片付けるの?!ええ、私は女ですよっ。これでも女なんですっ!!私だって腕力無いのを男女の身体能力なんて言いたくない。でもねっ、生理中の怠さとか、筋肉のつき方への不満とか、誰もわかってくれないでしょっ!わかるって言うの?えェ?・・・ハッ、ハァッ」
・・・スゴイ勢いで、言ってしまった。
一角さんは呆然としていた。言い返せないようだ。
弓親さんが「生理中だから機嫌悪いんだ・・・」と小声で言ったのを聞き逃さなかった。
「ええ、悪いですか?」思わず、弓親さんにも八つ当たりしてしまう。
「S、可愛い顔なのにそんなに怒っちゃ台無しだよ。ねっ」
弓親さんは、まだ興奮して息の荒い私を落ち着かせようと、そっと肩に手を置き、ソファに座らせてくれた。
「だって、悔しい・・・」
涙が出そうになる。
自分より下位のヤツでも相手は屈強の男達。
竹刀を合わせたとき、力では負けてしまう。
速さで躱してはいるが、限界がある。
自分の弱さが不満だった。