○ 一次創作 ○
□ 弱肉強食
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そこは暗いと言うべきだろうか?
それとも明るいと言うべきだろうか?
そんな空間内を歩いている青年が1人。
彼が足を出せば、そこに黒く光る道ができ、その上を何も心配する様子も無しに歩いていく。
「……なあ、前は聞き忘れていたけど、ここは何なんだ?」
ふいに青年−エグゼル−は誰もいない空間に問いかける。
「ここは『虚数空間』」
彼の問いに答える声が響くと、その隣に全身黒ずくめの男が虚空に現れる。
「元来ありとあらゆる法則が通用しない、不安定な空間世界だ」
「ふーん。
じゃあ、僕が足場に使っている『魔力』はどういう事だい?」
現れた男にそう話ながらも、足を出し、足場を『魔力』で構築し、その上を歩いていくエグゼル。
「元来は、と言っただろう?
ここを介して繋がってる『我々』が、お前についているからだ」
男は彼の疑問にそう答えると、おもむろに前を見る。
「今、ここから『欠片』を感じた」
「ん、それでは『欠片』を取りに行きますか」
エグゼルはそう答えると、虚空に向かって片手を翳す。
するとそこには前回と同じくヒビが入った。