ずるいから好きです





「もうっ、今日はだめなんだってば」

「なんでだよーっ」

「だ、だって…たまにはゆっくり寝たいんだもん…」


これこうして、

あたしと乱馬は、一時間以上も押し問答を繰り広げている…。



乱馬と正式に付き合う様になって、やっと素直になれたあたし達。

それから乱馬はすっごく優しくなった。

もともと優しかったんだけど、その優しさを素直に表してくれるようになったから、
あたしは前よりももっともっと彼のことが大好きになった。

たまには喧嘩もするけど、前みたいに心ない暴言で相手を傷つけるようなこともお互いしなくなった。

すごくすごく幸せで、今のあたしはとっても満たされている。


…でも、
あたしには1つだけ悩みがあった…。


それは…


「あーかねっ」

「ら、乱馬…今日もここで寝るの…?」

「もちろんだろっ」

「あはは…」


と、こうゆう風に

乱馬はほぼ毎晩、こっそりあたしの部屋へとやって来ては、そのまま一晩一緒に過ごしているのだ。


なので、最近のあたしはものすごい寝不足だった…
(なぜか乱馬はすごく元気だけど…)


だから今日は思い切って、断ってみた。

乱馬には悪いけど、いくら格闘やっててもあたしは乱馬ほど体力ないし…

い、いいかげんにゆっくり寝ないと、体が保たないからって言って…



でも、何度言っても乱馬は聞き入れてくれない…。


それどころか、いつのまにか隣に座って、あたしの肩を抱いている…

き、距離が近いってば…!


「なぁ〜あかね〜」

「だ、だから〜…」

「…どうしてもダメなのか〜?」

「う、うん。ごめんね…」

「ゔぅ゙〜…わかった…」


そんなに悲しそうな残念そうな顔されたら、なんだかすごく悪いことをしてしまった様な気分になる…

本当にごめんね…。

でも、これで今日はゆっくり寝られるから少しホッとしちゃった。



「じゃあ…今日はこれで我慢する〜…」

「んんっ!?」


なにをするのかと思ったら突然ぎゅむっと抱き締められた…!



「ちょ、ちょっと…!乱馬っ」

「ん〜…もーちょっと…」

「もぉ〜…///」


そんなことを言いつつ本気で嫌がってるワケじゃないあたし。

悔しいけど、心底コイツに惚れてしまってるから…

でも、すんなりと受け入れるのも少し悔しいから、ついつい天邪鬼になってしまうのよね。


そんなことを考えながらも乱馬に身を任せていると、乱馬の手がもぞもぞ動き始めた…。


ん゙…?
と思った瞬間…!


ドサッ…!




「…え?…え!?」


…あたし…押し倒されてる!?




「ちょ、ちょっと!乱馬っ!?」

「…ごめん。やっぱ我慢できねーや」

「な゙…!?」



このままじゃマズイ…!
と思って必死に抵抗してたあたしだけど…


「俺が嫌いになったのか…?」


なんて切なそうな顔で言われちゃったら…


「〜っ!…もうっ!わかったわよ〜っ…」

って言うしかないじゃない…!


そう言った瞬間にヤツはしてやったりっていう風な表情になる。

「へへっ」

なーんて笑ってるコイツはやっぱり確信犯で…


本当に悔しいっっ!!



「もう〜っ…!」

「好きだよ、あかね」

「〜っ!///」


本当にずるいっ!

こんなこと真顔で言われちゃったら、これ以上怒る気も失せちゃうわよ〜


もうこうなっちゃったら、あたしには受け入れる以外の選択肢は残されていないのだ。

いや、もしかしたら始めからそうだったのかも…


悔しいっ!!



…やっぱりこれも惚れた弱みってヤツなのかしら…。

でも、こんなずるいヤツだけど本当に大好きだから
これからもコイツのペースに巻き込まれっぱなしなんだろうなぁ〜。


悔しまぎれに「バカッ」って呟いてやるけど、今のコイツにはなにを言っても無駄なのは、あたしが一番よくわかっているのだ…。


結局は、今夜もずる〜い彼のわがままを受け入れてしまうあたしだった…。


end...


◇◆あとがき◆◇

甘いっすなぁ〜ι

けど、こーゆうのも書いてて楽しいっ♪

なんだかんだ言いながら二人とも幸せだからそれでいいのさっv笑

たまにはラブラブな二人もいいな〜^^

でも
原作風を期待してた方、
すいません(><)


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