この恋、きみ色





あたしの一日は大声から始まる…


「乱馬〜!起きなさ〜いっ!!」

「んぁ〜……もうちょっと〜…」

「もう!早くしないと遅刻しちゃうじゃないっ!」

「うぅ゙〜〜…」

「起きろ〜〜〜〜っ!!」

「うわぁっ!耳元で叫ぶなよなぁっ」

「あんたが起きないからでしょっ!ほら、早く着替えて朝ご飯食べてきなさいよっ」

「へぃへぃ」

「も〜!あたし先行くわよ〜っ」

「ちょっ!待ってくれよ、あかね〜」


まったくもう!毎朝毎朝、嫌になっちゃうわ!

どーしてあたしがアイツの寝坊に付き合わされなくちゃいけないのよっ!!


……とか思ってるのに
ついついアイツが用意し終わるのを待っててしまうあたし…

…そしてやっぱり今日も遅刻してしまうあたし達…


「まったくもう!あんたのせいよっ」

「へへっ、まぁ毎朝のことだし今更だろっあかねっ」

「あのね〜〜…」







「あかね最近遅刻増えたよねぇ〜。やっぱり乱馬君のせいなんでしょ〜?」

「当然よ!だってあたし、アイツが来るまでは遅刻なんてしたことなかったのよ!?本当にいい迷惑だわっ」

「確かにね〜。毎朝男の子達に襲われたって遅刻してなかったもんね。」

「そうよっ!本当に毎朝毎朝嫌になっちゃうわよっ」

「…じゃあ、乱馬君待ってないで先に来ちゃえばいーんじゃない?」

「え゙っ!?そ、それはそーなんだけど…」

「やっぱり旦那を一人で遅刻させるのは妻としては心苦しいってかぁ〜?」

「そっ、そんなわけないでしょ〜〜!!第一誰が旦那で誰が妻なのよっ!?」

「それはもちろん、乱馬君が旦那様で、あかねが妻でしょっ。許婚なんだからっ」

「そんなワケないでしょうがっ!だいたい許婚は…」

「はいはい。親が勝手に決めたんだよね〜」

「そ、そうよっ」

「ふふっ素直じゃないね〜あかねちゃんは」

「もう〜〜違うんだってばぁ!」








「もぉ〜!あんたのせいだからねっ!なんであたしまで遅刻常習犯のための宿題を出されなきゃなんないのよ〜」

「しゃーねーだろー。俺寝起き悪いんだからよ〜」

「もー!いいかげんにちゃんとしないと、明日から起こしてあげないからねっ!?」

「なっ、なんでだよ!?」

「あんたには反省の色がまったく見えないのよっ!」

「だって起きられねぇんだからしゃーねーだろー」

「あんた寝すぎなのよっ」

「うるせーっ!育ち盛りなんだよっ」

「どーだかっ、あんたの場合おじいちゃんになってもずーーーっと寝てるんじゃないの〜?」

「なっ、んなワケねーだろうがっ!本当におめぇは可愛くねぇなっ」

「なによーっそんなの今関係ないでしょーが!あんたなんか変態のくせにっ」

「それこそ関係ねーだろーがっ!それに誰が変態だ、誰が!」

「あんた以外いないでしょーがっ」

「不器用!狂暴!ずん胴!」

「な゙っ!?このナルシスト!優柔不断!いーかげん男!バカバカバカーーッ!!!」

ばきっ!


「いってぇ!!この狂暴女っ!!」

「なによバカっ!!もう絶っ対朝起こしてあげないからねーっ!!!」

「けっ!望むところだぜっ!」

「ふんだっ」「ふんっ!」



なによなによなによ!!

もうあんなヤツ知らないっ!
明日から絶対に起こしてなんてあげないんだから!


だいたい、あたしはあたしのペースで過ごしたいのよっ!
あいつが来てからというもの、あたしの生活はめちゃくちゃになっちゃったんだからっ!

もう我慢できないっ!
明日からはあたしはあたしのペースで過ごすんだからっ



「あんたたち、また喧嘩?本当に懲りないわねぇ〜」

「「べつにっ!」」

「どーせまた乱馬君がなんかしたんでしょー?」

「俺は悪くねぇっ」

「あんたが悪いのよっ」

「なんでだよっ」

「まぁまぁ、二人とも仲良くっ!ねっ!?」

「「うるさいっ!!」」

「…お父さん悲しいよ…」




もぅ決めたんだからっ!
明日からは自分のペースで過ごすんだから!

ぜったいに乱馬に合わせたりなんかしてあげないんだからねっ!!








…でも





「あ、あのよ〜……あかね…」

「…なによ…?」

「その……わ…わっ…」

「…?」

「…わ、悪かったなっ!」

「えっ!?」

「だからっ!俺が悪かったから!!明日からも起こしてくれっ!!じゃあなっ」

「…(なんでそんなに偉そうなのよ…)」





…こういう風に、
たま〜に素直になられちゃったりしたら

やっぱり、しょーがないから明日からも起こしてあげるかっ。
って気になっちゃうじゃない??



だから、
この恋をしてるかぎりあたしは自分のペースで過ごすことなんてできないのかもしれないけど


それでも、

…辛いだけだった前の恋よりは、嬉しいこともあったりするから、


もうしばらくは、
きみ色に染まっててあげてもいいかな?


なんてねっ



end...


◆◇あとがき◇◆

お初のあかねちゃん視点ですv

なかなか難しくて
わけわからんことになってしまいましたが、

読んでくださってありがとうございました^^





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