† Present †
□浸食
1ページ/1ページ
どんどん染みてゆく。
まるでこぼれたジュースのように。
―浸食―
「ユウ、大好きさ」
あいつがどんどん俺を浸食していく。
「…黙れよ」
常に距離をとっていないと、俺が俺でなくなる。
「いいじゃーんユ〜ウ」
きっとそうなってしまったら、俺は俺に戻れなくなる。
自分じゃなくなっていくのを認めたくない。
「俺にはおまえは眩しすぎるんだよ…」
「ん〜。でも、眩しいくらいがちょーどいいんさぁ」
まただ。また、侵食される。
どんどん、俺を染めていく。
この浸食は誰にも止められない。