...madamigella&parodia

□comfort-慰め-
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ガチャ

キィィとドアが静かに開く。
暗闇から人が一人現れる。
神田ユウの幼なじみでもあり、彼氏でもあるラビだった。
だけど…あの元気でうざったい奴がいつもと違った。
いつもは『ユウ〜〜〜ッ!!』とか叫びながら俺に抱きついて来るハズなのに。
キスしてくるハズなのに。
今日はドアの前でたたずむだけ。


「…ラビ?どうし…」


ポロ…

ラビの瞳から一筋の涙が流れた。


「やっちゃったさ。」


「…任務で‥何かあったのか?」


ラビがやっと上を向いた。
涙で頬が濡れていた。
とてもじゃないがお世辞でもかっこいいとは言えないほど。


「探索部隊…全員死んじゃった。助けられなかった…っ」


ラビの頭を己の胸に導く。
大きくもない胸だが形は良く安心する。


「ユウ…ッ俺…っ俺どうしよう!」


俺の胸の上で優しく慰めてあげた。
ラビがこんなにも悲しむなんて…。


「ラビの…っ!せいじゃない!!」


そんなに悲しむと俺までが悲しんでしまうから。
泣かないで。
今日だけ慰めてあげるから。
お母さんのような存在になってあげる。
だから…今日は、俺に甘えてほしい。
そしたら明日、あなたのあの笑顔を見せて?



NExt⇒ァトガキィ
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