...usuale

□In the Air...snow,snow...
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「ユウ〜。寒いさ〜、コタツ入れて〜」
「勝手にしろよ…。」
「うわ〜いあったか〜…」

ラビがコタツに入ってくる。今日はいつにもまして寒くて、コタツからでたくない。俺はとりあえずヒマ潰しにコタツの上においてあるみかんを食べる。
「あ〜っユウだけズルイさー、オレにもちょーだいっ」
そう言うとラビは、んっ、と手を差し出してくる。…めんどいから無視。
「あっ無視するのはヒドイさ!」
「仕方ねえな…」
「ありがとさ〜ユウ!」

―これが俺の精一杯の愛情表現。このぐらいしかできない、俺はバカだ。

「ユウ?どしたさー、ホラみかん」

ラビの声だけで頭の奥が溶けてドロドロ。それなのに、ラビにはなにもできない。冷たくすることしか。

「あーユウ、今オレに冷たくしちゃったなーって思ってんでしょ。でもダイジョーブ。オレ、ユウのそーゆうトコロも全部含めてスキだから平気さ。構ってくれるだけで嬉しい」

―何でコイツには、隠せないんだろう。心の奥まで見透かされる。でも、なんか落ち着く。

「じゃあさ、ユウ!外いこ外!マイナス思考のトキは外出ておひさまの光浴びるにかぎるさー!」
「はぁ!?ラビ、ちょっと待てコラ!」 「はー……」
「着いたさん〜、寒いケドやっぱ気持ちいー

…よくはしゃげるよなぁ…。ラビの笑顔が眩しい。

「ほら〜、ユウも空見てみろよ〜。おひさまぽっかぽか〜」

ぽっかぽかってほどじゃないけどな。

「あ…ユウ。雪さー。お天気雪。」
「お天気雪って…おまえなぁ…」

日の光でキラキラ輝きながら降ってくる。それはまるで、宝石。

「なぁユウ〜、これ積もったら雪ダルマつくろ〜」

空からの贈り物。俺とラビが触れ合う時間。

「…積もったら、な。」

二人は、外気に触れてすっかり冷えた手を、お互いに温めあう――。
 

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