...madamigella&parodia
□伝わらない…届かない…
2ページ/3ページ
「………ハッ……、」
「俺も、‥お前のことそろそろ飽きて来てたんだ。好都合だな。別れるか?」
飽きただなんてそんなのは嘘。
今でもお前のこと愛してる。
だけど……
“別れないで”
“今でも好きなんだ”
それだけの言葉が言えない。
俺はこんな性格だから、思った事と反対の事を言ってしまうんだ。
「ちょうどよかったさね。じゃあ、バイバイ、神田。」
「‥あぁ。」
行ってしまった…。
いままで“ユウ”と呼んでくれていたアイツが俺のことを“神田”と呼んだ瞬間胸がちくん、と痛かった。
…俺にはアイツしかいないんだ。
こんな突っ張ってて口の悪い奴なんか誰も一緒にはなってくれるハズがない。
ラビも、やっぱり俺なんかとは嫌なんだな。
悲しい、と思ったら目から大量の涙があふれてきた。
「ぅ、ひっ…く……ふ、」
涙が止まらない。
俺はこんなにもアイツのことを愛していただなんて。
好きだっただなんて…。
そういえばアイツに“好き”だと一度も伝えてなかった気がする。
言えばよかった。
今になって後悔するなんて付き合っていたときは思いもしなかった。
あの時は今度、今度と後回しにしていたから。
でも今さら後悔したってもう遅い。
今はもう泣くことしかできない。
だって終わってしまったのだから……
できることならまだまだズット一緒にいたかったのに。
.