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□猫獣の作法
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【ライオンは、獲物を視界に捉えるとそれに注意深く近づき、身を屈めて一瞬で狙いを定め、獲物の喉元に食いついて狩りをします】


「グワァオ!」

「うおっ」

いきなりソファの影から飛びついてきた神楽に、銀時は腰を抜かした。

「グワァオワオワオ!」

「だっ!わっ!なんだよ!神楽っ!オマエいったいなんなんだよっ!」

必死に銀時の首にかじりつこうとする神楽を押さえつけてとめようとする。

神楽はぴたりと動きを止めて事もなげにこう言った。

「なにって、狩りの練習アル」

「はぁ?狩り?なんだってまたそんな原始人みたいな…」

怪訝に思いながらふと目に入ったテレビを見ると、かかりっぱなしのチャンネルは自然番組で、サバンナがどうのライオンがどうのヒョウがどうの、とスケールのでかい話が展開されていた。

なるほど、アレか、と銀時はひとり納得してバリバリと頭をかく。

まったく、すぐにテレビだなんだに影響されやがって。

神楽に引き倒された時にうった腰が痛む。

自分に馬乗りになった神楽を見上げながら銀時はチッと舌打ちをした。

「あー腰いてーよ。どうしてくれんだコノヤロー。銀さんが腰使えなくなったらどーすんの。気持ちいいことできなくなるよ?それともなに、オマエが上乗ってかわりに腰振ってくれんの」

「バッ…!ま、ま、真昼間からなに言ってるアルか!!」

「オメーこそ真昼間から俺になに言わせてんだよ。やべぇ、勃ってきやが…」

「ギャアアアア!!へんたい!!おまわりさーん!へんたいがここにいるアル!!」

「オマエ、おまわりさんったって、あいつらドSやらマヨラーやらストーカーやらあっちも相当変態だよ?変態やっつけんのに変態呼んでどーすんだよ、バッカだねぇ神楽ちゃんは」

「神も仏もないアルな!わたしはただライオンの真似をしてみようと思っただけヨ!銀ちゃんの下半身が期待するようなことは何もないアル!」

「いや、それは、ほら、オメーが決めることじゃねーから…だいたいなんだ、ライオンって。オメーなんか頑張ってネコ止まりだよ、ネコ」

「ネコ!?わたしそんなによわっちくないアル!歌舞伎町の女王舐めてるアルか!?百獣の王がお似合いネ!」

「あーもーうるせーな」

吠えまくる神楽を制して、銀時は半分くらい身を起こした。

己に跨がる神楽を押さえつけ、さらりと桃色の髪をかきあげ、ぱく、と白く小さな耳を食む。

「にゃあっ!?」




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