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□おやすみにゃんこ
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右手で乳房を捏ねながら、左手をもっと下に忍ばせる。

その間も猫は非常にけしからん声でにゃんにゃん鳴くが俺は読み続けなさいと優しく命令する。

たどり着いたところはもうあたたかい液でたっぷりと潤っていて、猫の鳴き声は一層高くなった。

ちょっと指を動かしてやると、じゅくじゅくとまたけしからん音がする。

「秀麗」

「あ…ッ、や、め、」

「なんだこれは」

「やぁっ、うご…かさな!」

「お前はいったい何の本を読んでいるんだ、ええ?」

「ちが…ッ、あん…っ!」

指をそのじゅくじゅくのところに埋めてやると、猫は一際高く鳴く。

我慢ならなくなったのか、手からとうとう滑り抜けた分厚い本は、ばしゃり、と嫌な音をたてて床に落ちた。

「いいのか、秀麗」

「あぁっ…!や、だぁ…っ」

「本、読まなきゃだめなんだろう」

「や、…っん、も、い…」

「ん?どうするんだ、本を読むか?」

猫は、ふるふる、とかぶりを降ってこちらに懇願の瞳を向ける。

「や、…っ!こう、ゆーさまァ…っ!ほん、もう、いい…やぁっ」

「もういいのか?」

「も、……あッ!も、いいの…っ」

本なんかもういい
ごめんなさい
絳攸さまがほしい

なんてかわいいことを言うものだから、めちゃくちゃに押し入って、ずくずくに突いて、そうしたら可愛い猫はとっても気持ちよさそうにしてくれた。





猫は、うぅ、とかうー、とか言いながらこちらを睨んでくる。

「あのですね、絳攸さま」

「うん?」

「わたし、ほんとに困るんです、明日までにほんとにあの本読まないとだめだったんです」

「へえ」

「へえ、じゃないですよっ!もう日付かわっちゃったじゃないですか!」

「怒るなよ。あんなに気持ちよさそうにしておいて」

ぎゃあ!と猫は真っ赤な顔で綺麗な毛を逆立てる。

「絳攸さま!なにを言ってるんですか!」

「大丈夫だって」

「なにが!?いったいなにが!?」

「あの本」

「だからあの本のなにが大丈夫!?」

「俺は、読んだことがある」

朝になったらかい摘まんで要点だけ教えてやろう。

そう言ったら、猫はなんとも言えない顔をして俺の胸に顔を埋めた。

余所の猫なんかにお前のことは馬鹿にさせないさ。

だからおやすみ。俺の可愛い猫。



「え?猫?」

「いや、こっちの話」



腕の中には綺麗な黒猫が一匹。

美しい毛並みを撫でると、猫は幸福そうに喉を鳴らす。








fin.
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