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□窓から飛ばした紙飛行機
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「………」

「ゴールド」

「………」

「……燃え尽きているな」

「ふっ……テストの結果なんざ…知ったこっちゃねえぜ……」

「そうだな」

「そうだなじゃねえよ!この秀才めっ!くそっ!!」

「出来ない方が悪い」

「あんだとゴルァッ!」

「たかだか中学の問題だろう」

「お前実はおっさんなんじゃねえの、俺たち現役にとっちゃ中学の問題はハードルたけえんだよ」

「俺が周りより秀でていて、お前が周りよりバカなだけだ」

「言い返す気力もねえ………すげえ、泣きたい」

「胸なら貸すぞ」

「教室の隅で野郎二人が抱き合ってる絵面とか気持ち悪いとしか言いようがねえよ」

「で。赤点は」

「ふたつ」

「………なんだ、思ったより健闘した方じゃないか。前回は五つだっただろう」

「一番自信があった国語とまさかの保健体育でしくじるなんて……っ」

「両方ともお前が俺からノートを借りなかった科目だな」

「さりげなく自分の優秀さを自慢すんじゃねえよマジでイラッとくるから」

「しかし保健体育とは………お前、得意分野だと言ってなかったか?」

「エロい知識だけじゃ乗りきれなかったんだよ」

「やはりバカはバカでも筋金入りの大バカだったか」

「あと国語は名前書いてなかった」

「もはや頭の悪さ以前の問題だな」

「だーーーっ!!うっるせえっ!!これなんかこうしてこう折ってこうだっ!!」

「紙飛行機か。折り方が雑だ、もっと丁寧に…」

「今からどうせ投げんだからいいんだよ!そーらよっと!」

「……ほう。きれいに飛ぶものだな」

「だろぉ?あースッキリ………は、しねえけど……くそ、明日から補習かよ…!」

「……ゴールド」

「あん?なんだよ、嫌みなら現在受け付けておりません」

「これを」

「なんだこれ…シルバーの答案?うわ、マジで100点ばっか…………は?国語0点?」

「そうだ」

「おいおい答案何も書いてねえじゃねえか!なんだこれ、腹でも痛かったのかよ」

「そういうわけではないが……ただ」

「ただ?」

「明日からの補習も…一緒だな、ゴールド」

「………お前もつくづくバカだよな。俺に盲目すぎ」







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