これ以上彼を苦しめないで・・・

□04 これ以上彼を苦しめないで・・・
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「当然じゃ無いんですよ。実際この二人には僕達の声は聞き取れていません」
「何・・・?」
日番谷は眉をひそめる。
「冬獅郎、どうした?」
「日番谷隊長?」
二人は日番谷を振り返る。今までの会話が聞こえていなかったかのように、二人とも本当に訊いてくる。
「お前ら・・・!本当に聞こえてないのか!?」
「ほら、聞こえていないでしょう?」
今まで傍観していた風浪仝が言う。
「つまり、あなたが『心の傷の深い者』なんですよ」
冷たい目線で言われ、日番谷はたじろぐ。
「な、何言ってやがる・・・」
「我々は、人ではありません。もちろん魂魄でもない。虚でもない・・・」
日番谷は風浪仝の言っている意味がわからず、ただ睨んでいるだけだった。
「だから。我々は器がない、ただの感情の塊にしか過ぎないもの・・・」
「器・・・?」
「ですから、人の感情は手にとるようにわかる。貴方が今、どれほど傷ついているかということも・・・」
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