【夢の中のあなた(将×望 望美視点)】
ずっと夢の中にいられたら、どんなにいいだろう?
「望美。夕陽、綺麗だぜ」
「そうだね。」
もう、何度この夕陽を見ただろう?ずっとずっと、学校で。将臣くんと、二人きりで。
この夢は、いつまで続くんだろう?将臣くんと、二人で過ごせる時間は…いつまで続くんだろう…?
「将臣くん。ずっと、一緒にいてくれる?」
そう言って、将臣くんを見上げる。将臣くんは、私よりもずっと背が高くて。逞しくて。
「ああ、ずっと一緒にいてやるよ。」
そう言って、笑ってくれる将臣くん。
好きだよ、将臣くん。離れたくない。どんなことがあっても。どんなことをしてでも。
この夢が、終わらなければいいのに…。
――リリリリリリリ!
「……ん〜…朝?」
アラームの音。見渡すと、隣でだらしなく寝てる愛しい旦那様。
「将臣くん。まーさーおーみーくんってば!早く起きないと、会社遅刻しちゃうよ!」
「あー…あと五分…。」
「そんなこと言って、いつも五分で起きないじゃない!ほら、起きて!そうしないと…私が朝ごはん作っちゃうよ?」
「…仕方ねぇな。」
いつも思う。なんで、私が料理しようとすると、起きるんだろう?
でも。こうして、傍にいてくれることが幸せ。
離れていた時間が多かった、あの世界。夢で繋がってるだけだった、あの時間。
今は、多分夢は繋がってない。私が見続けているのは、きっと、想いが生んだ幻想。
「望美。」
将臣くんが、エプロンをつけながら話しかけてくる。
「なに?」
「さっきの、夢の中での約束…ずっと一緒にいてやるっていうの、さ。ちゃんと、叶えてやるから。」
……ああ、繋がってたんだ。将臣くんも、私と一緒にいたいって思ってくれてたのかな?
私はこれからも夢を見る。愛しいあなたと共にいる夢を。
おわり
―――――
そこにネタがあったから、やってみた!
無印アナザーEDと見せかけ、多分迷宮後日談後!『夢の中のあなた』をテーマにした小話を書くと決めた時、将臣くんが真っ先に出てきた!甘めに書けとのネタ神からのお達しがあったため、無印アナザーEDだけで書くのは辛い。故に夢は夢として終わらせて、新婚生活でもさせちゃえ!というノリです。