中編

□7回目
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「ま 何があったか知らねーが アイツもアイツなりに何か考えてたりすんじゃねーの?」


そう言いながら亜夢の手をひいて立たせてやった



『総悟 私の事嫌いになっちゃったのかな…』



しゅんとする亜夢を見て 再び大きくため息をついた



「嫌いな奴に絆創膏やるバカなんざいねーよ」


『…へ?』


「答えはテメーの耳で確かめな」



銀時の言葉に しばらく腕に貼られた絆創膏を眺めていた亜夢だったが 何かを決心したかのように顔を上げた



『銀さん ありがと』



銀時は一瞬目を見開いてピタリと静止したが 頭をかきながら視線を外し
「とっとと行け 俺ァガキの色恋沙汰に付き合ってる暇はねーんだよ」
とブツブツ言いながら 亜夢を促した



そんな銀時がおかしくて 思わず吹き出したら 軽く頭を小突かれた



『私 総悟のとこに行ってくる!』



そう言い残して走っていった亜夢の背を見つめながら 銀時は小さく呟いた



「俺もお人好しな奴だな…」


あとで沖田君にキューピッド代請求しよっと



そして亜夢が走っていった方向とは正反対の方へゆっくりと歩き出した



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