中編

□7回目
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『……っ』



声を押し殺して涙を流す亜夢をしばらく見つめていたが やがて盛大なため息をついて 銀時は亜夢の背中をポンと叩いた



「…ったく 酷い男だねェ」


濡れた絆創膏を自身の着流しで軽く拭くと 裏面の紙を剥がし 亜夢の腕に貼りつけた



『総悟は…悪くないもん』


「あんなひでェ仕打ち受けたのに庇うのかよ?亜夢ちゃんも相当のモノ好きだなァ」


呆れたように返せば 亜夢は涙を拭い 鼻水をすすりながら顔を上げた
どうやら涙は止まったようだ



『だって総悟は…地球で始めてできた友達だから』


私に地球を、江戸の町を、そして海を教えてくれた かけがえのない…友達



「…本当にそう思ってんのか?」


『…え』


「アイツの事 本当にダチだって思ってんのか?」


『それは…』



何で胸を張って友達だって断言できないのか 自分でもわからない


総悟の事 嫌いじゃないのに
むしろ大切で 大好きな…


アレ?

大好きな…?



「ダチなんかじゃねェ もっと大切な奴なんじゃねーの?」


『なっ…』


瞬間、自分でも顔が赤くなっている事に気づいた


イヤ ないないない!!

それはないよウン!!





「……ぷっ」



顔を上げれば 笑いを堪える銀時の顔があった



『…もしかして からかったんですか?』


「まさかそこまで素直に反応してくれるたァな 図星だった?」


『ちっ…違いますゥゥゥ!!』


「んな顔で言われても説得力無ェんだけど」



ニヤニヤしている目の前の男を睨んでみたが 全く効果はなく 悔しい思いをした



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