中編
□4回目
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『…総悟、』
総悟が怒ってる
そんなこと簡単にわかった
表情とか声色
普段の総悟からは感じることのない殺気
…あぁ 私迷惑かけてる
「要求は そうだな…まず捕らわれた我々の仲間を解放してもらおうか」
「……わかった」
そういうと総悟はポケットからけいたい(小さな電話)を取りだして 仲間に連絡をした
「そしたら 刀を腰から外せ」
「オイ あんま調子乗ってんじゃねーぞ」
「ほォ 良いのかそんな口聞いて」
『っ 』
いきなり感じた冷たさに私は思わず目を瞑った
攘夷浪士の一人が突きつけていただけの刀を 私の首に押し当てたらしい
「……チッ」
総悟は舌打ちをしながらも攘夷浪士の言う通りに刀を外した
カランと音を立て 落ちる
…ゴメンね総悟
先程までは攘夷浪士達が悪いと散々言っていたけど こうなってしまったのは自分のせいなんだ
私が人質に捕られなければ 総悟がこんなことせずに済んだのに…
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