中編

□4回目
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「お嬢さんは何もわかっちゃいねェ
今じゃ空には天人達の船が浮かび 綺麗な空なんざ拝めねェ 平凡な世界には必ず裏があるものよ
この国はお前さんが思ってるほど綺麗じゃないのさ!!」





『………っ』




男の言葉は衝撃的だった



私が見ていた地球は 綺麗な表側だけだったのかな





「亜夢!!」




その時 自分の名前を呼ぶ声が聞こえた

今日何度も聞いたその声



その声は攘夷浪士達の耳にも届いていたらしく 彼らは私の首もとに刀を突き付けて 大きな窓の元へ移動した




「ほぅ 一番隊隊長さんか しかも一人でお出ましとは」




『総悟!!』




開け放たれた窓から見えた姿はやはり彼だった
走ってきたのか 汗が街灯に照らされキラキラと光っている




「…人質を解放しろィ 一般人巻き込むなんざ汚ェマネはやめろ」




「そいつァ無理な話だな 俺達の要求を呑んでもらわねーと それにこの女 アンタの知り合いみてーじゃねーか」




「チッ…わかった 要求あんなら早く言いやがれ」





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