中編

□8回目
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「ん?何か真選組に御用ですか?」


『えっあの………』



銀さんに背中を押され 私は真っ先に真選組へと向かった
一度来たことがあったので場所は何となく把握していたから 迷わずにたどり着く事ができた


そんなわけで屯所の目の前まで来たわけだが 中に入る勇気が出ない
いや、総悟に会う勇気が出ないと言った方が正しいかもしれない
門はもう目の前にあるというのに あと一歩踏み出せず うろうろしていたら さすがに不審に思ったのだろう 門番の人にそう声をかけられたのだ
しかし なかなか言い出せず口ごもっていると 背後から聞き覚えのある声が聞こえた



「あれ?君は…」



振り返ればそこにはいつぞやの……


『あ ゴリさん!パトカーに乗ってたゴリさんだ!!』


「えっゴリさんって何?もしかしてゴリラさんの略!?あれ…目から汗出てきた」


目の前のゴリさんが目から汗を流し出してしまったので 慌てて謝り そして慰めた



「…して、君は何故ここに?」



何とか立ち直ったゴ…近藤さんにそう尋ねられ 私は総悟に会いに来た事を説明した 喧嘩した事は伏せて…



「そうかそうかぁ…総悟の友達だったのか
よしわかった!今俺が呼んでこよう」


「その必要はねーですよ 近藤さん」



屯所内へ総悟を呼びに行こうとした近藤さんを制する声
誰のものかなんて 聞いただけでわかる



『…総悟』


総悟は私の姿をその真紅の瞳に映すと 悲しそうに顔を歪める



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