中編

□6回目
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あれから 正気に戻った(もともと正気だったが)俺は また何度か亜夢の不思議な力にビビらされたりして 何だかんだで時間は過ぎていった

夕日によって真っ赤に染め上げられた道をパトカーで走る



『海楽しかったね!!総悟』


隣で楽しそうに笑う亜夢に短く返事を返す




亜夢の顔を見ると 先ほど自分がしたことを思い出して恥ずかしくなる一方 胸が締め付けられるように苦しくなる

いつかは来る コイツとの別れに悲しんでいるのか
はたまた別の理由か



…ま 何にせよ 隣にコイツがいて アホみたいに笑ってりゃそれでいいや



苦しみを振り払うように自分にそう言い聞かせ ハンドルを握り直した



その時 突然車の前に刀を持った浪人が飛び出してきた




「危ねっ!!」



と 口では叫んだが そのまま何の躊躇もなくパトカーでその浪人をはねた




ドン!!



「ゴフッ」



バンパーに衝撃を感じ また浪人の叫び声が聞こえた気がしたが なかった事にした




『ちょっアレ?何か今人飛んでかなかった!?』



「気のせいでさァ」



『あ ですよねー』




そして 俺たちは何事もなかったかのように そのまま車を走らせた



「…ってオイイィィ!!



今度はたくさん浪士が飛び出してきて 車をぐるっと囲んだ



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