+ nobel
□二人
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空が赤みを帯びてきていた。
学校に着いた頃にはもう、誰も生徒がいないと思われた。
静かな校舎、いつもよりトーンの低い室内。
玄関に靴を脱いだまま教室に向かった。
僕だけの足音が廊下に響いた。
何だか肌寒く感じるけど、懐かしい雰囲気もあって不思議な気がした。
いつもなら誰かが居るのに本当に僕一人だけなんだな…。
階段を上り、教室のドアを開けた。
「あれ…」
自分の机から解答を取り出すと、英二の机の中にも解答が入ったままになっていた。
僕は思わず微笑む。
一応、届けて上げようかな…。
僕は二つ解答を鞄に入れて学校を出た。