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猫不二4
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跡部のベッドに2人で上がって本を読んでいた。
不二が読んでくれるのは嬉しいんだが…
面倒くせぇ…
2人で話した方が俺は良いな。
不二の顔も見れねぇし、笑わねぇし…
何か良い手はないかと思案している時だった。

携帯のバイブが鳴る。

「あれ?」
不二は気付いたようだ。
「不二のか?」
「そうみたい」
ベッドから降りて机の上の携帯を耳にあてる。

「英二?」

菊丸か…。
あいつ不二と同じクラスつってたな。

「ううん。心配しないで」

だよな、さぼりましたなんて言えねぇよな。ましてや跡部の家にお泊まりしてるなんて…

「今から?」

「解った。じゃあまた後で」

不二は携帯を閉じてデニムの後ろのポケットに入れた。

「誰だ?」
自分もベッドから降りて不二に近づく。
「英二だよ」
「何か言われたか?」
「これからノートを渡しに僕の家に来てくれるみたいなんだ」
「ああん?」
んだよ。
「どうすんだ?」
「明日は学校に行かないとさすがに不味いし、今日は帰るよ」
不二は荷物を纏め始める。

「明日学校で渡して貰うんじゃ駄目なのか?」

何とかして引き止めようとしている自分が笑える。

「それに充分お邪魔させて貰ったし、跡部君も明日に備えて今日は休んだ方が良いよ」

勝手な奴だなぁ…
まぁ、普通の友達なら帰るのが普通か…
ここで引き止めると不二に悪いだろうし。
仕方ないか…。

「また泊まりに来いよ」

「うん、ありがとう」
不二は笑った。

社交辞令じゃないって解ってるのかな?
多分解らねぇんだろうな。
不二を門まで見送って俺は部屋に戻った。
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