三番隊/弐
□
ガランドウ秋茜
1ページ/8ページ
息を切らせて、走る
景色が遠ざかる
霞んで溶ける
「あ――は、は――あ、あ――」
足はただ前へ前へと
心はただ恐怖に捕われて
背後から迫る影に怯えて
「逃がさへんよ」
笑いながら、
嗤いながら鬼が来る
葬列の気配を纏って
「おいでや」
逃げろ
「おいで」
来ないで
「おいで、イヅル」
絶望が、背後から押し寄せる
.
→
次へ
[
戻る
]
[
TOPへ
]
[
しおり
]
カスタマイズ
©フォレストページ