三番隊/弐

ガランドウ秋茜
1ページ/8ページ


息を切らせて、走る
景色が遠ざかる
霞んで溶ける



「あ――は、は――あ、あ――」



足はただ前へ前へと
心はただ恐怖に捕われて
背後から迫る影に怯えて



「逃がさへんよ」



笑いながら、
嗤いながら鬼が来る
葬列の気配を纏って



「おいでや」



逃げろ



「おいで」



来ないで



「おいで、イヅル」



絶望が、背後から押し寄せる
.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ