おはなし

□柿の木と大男
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むかしむかしのおはなしです。
ある小さな村に、鬼と呼ばれる男がおりました。
その男は、とても大きな体と、角のようなとがった頭を持っていました。

「おそろしやおそろしや。あのような人間は見たことがない」
村人はそう言って、男を嫌いました。
しかし、男はただそこにいるだけで、何も悪さはしませんでした。

ある日、散歩に出かけた男は、一本の立派な柿の木を見つけました。
うまそうな実がたくさん鳴っています。
しばらく木を眺めていると、隣の家から人が出てきました。

「おや……??」
その家の主人は、男を見て不思議そうな顔をしています。
男は慌てました。
このままでは、柿泥棒と間違われるに決まっています。
しかし、主人はこう言いました。
「ひとつ、頼まれてはくれないかい?」
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