おはなし

□Apartment
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101号室、オレ。
他に住人は、いない。
いない……ん?新しい入居者ってのはアンタなのか?
驚いたな、こんな平凡そうな少年だなんて。


いや〜オメデトウ!
名前は……あぁ、越野君ていうんだね。
オレは長くここに住んでるけど、お隣さんができたのは初めてなんだ。
っていうのも、ここのオーナーがかなりのヘンクツでさ、入居希望者を片っ端から断ってるんだ。
しかもほとんどが若いオネーチャンだっていうんだぜ……!
うらやましい話だが、みんな騙されてるな。
まあ外面だけはいいからな、アイツは。


ま、ホントの話はこのくらいにして、どうやら越野君は悩みがあるらしい。


ん、なになに?退去命令が怖いという訳か。
うーん、気持ちは解る。
でもオレから言わせりゃ
越野君が愛想を尽かして出ていく方が怖いな。
おっ、やっと笑った。
越野君がここにいる理由が少し解ったような気がしたな。


偉そうなオレが一つ忠告してやろう。
防犯はキチンと!!
あの子を逃がしたら、お前にはオレしかいなくなる。そんなのはオレだってゴメンだよ。


あ、ところでオレは誰かって?

表に表札出しとこう。

101号室―バスケ君
102号室―越野君

「仙道アパート」ただいま満室。



END

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