080921*好きで好きで
『何よりも 大切で
何よりも 恋しくて
わからなくて 遠くて 不安で
近づきたいのに 逃げたい
自分に自信をなくしては
変わろうと決心する
全部 全部 きみのため
でも きみは何も知らない
だから 好きで好きで好きで
しょうがないきみを
嫌いになりたいんだよ』
ベットの上に一人寝転んで、携帯をいじっていると乙女チックなポエムサイト(?)を偶然見つけた。何となくそこにあった作品の一つを読んでみたら急に恐くなってしまった。
「におー…」
ベットの下、背を向けて雑誌を読む仁王に話しかける。
「なんじゃ?」
「俺、仁王を嫌いになりたいくらいに好き」
「…ほーかほーか」
言ったら仁王は少し動揺したように返事をした。
女が読むようなポエムに共感してしまうなんて終わっていると思う。だけど、恋なんてものはそんなものだ。
「ブン太」
「ん?」
「俺はもう嫌い」
「…え」
「俺の感情、全部ブン太に取られてまうから」
俺に背を向けたまま言った仁王の声があまりにも自信に溢れているから、やっぱり恋なんてものはすごいもんなんだと思った。
〇恋愛に夢中なニオブン。幸せになってください。