080824*足したり引いたり

数学の時間、ふとノートをみると「仁王+ブン太=」という数式を見つけた。
数式とも言い難いその式の右辺は空白のままだ。
そういえば、一昨日ブン太にノートを貸したことを思いだし数式の存在に納得した。


「仁王+ブン太=」というテストより遥かに難問なその答えをどうしたものかと悩む。

とりあえず、その数式の下に新たな式をたてることにした。




「におー!」
授業のあと、ブン太がにこにこしながら俺の席へとやってくる。そして両手を前へぴっと差出し楽しそうに言った。
「数学のノート貸して!」
思った通りの言葉にクックッと笑ってしまう。
「な、何笑ってんだよ」
怪訝な眼差しを向けるブン太に笑顔を返して、ノートを渡す。
「はい、どうぞ」
「あ、さんきゅ!」
ブン太は表情をころっと笑顔にかえて、ノートを開き赤面した。
前から思っていたが、ブン太は本当に面白いほどころころと表情を変える生きものだ。
「これ、移項したらおかしいだろぃ」
呆れたように言って、赤い顔を歪ませる。
ブン太の言葉に「そうかの?」とだけ返して、ノートが返ってくるのを待ち望むことにした。
次の問題を解くのはブン太の番だ。




仁王+ブン太=

仁王−ブン太=0
ブン太−仁王=





〇3Bに入りたい。こんなことしてたら萌えすぎる!

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