復活!/book*
□ねぇ、どうして?
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【ねぇ、どうして?】
(※教育実習生な雲雀×高校生なハル)
昨日から来ている雲雀さん?とかって名前の教育実習生がかっこよすぎると学校中が大騒ぎになっています。生徒だけではなく先生もメロメロで、告白した人がたくさんいるんだそうです。学校一可愛い生徒や学校一美人な教師までもが告白したんだとか。まあ、フラれたらしいですけど。雲雀先生は保健室にいて、保健の先生に学びながら怪我をした生徒の治療などをしています。雲雀先生が来てから、わざとケガをする生徒や仮病をする生徒が増大して、学校内の問題になっているんだとか。あんな無愛想で何を考えてるのか分からなくてデンジャラスな雰囲気駄々漏れな人のどこが良いんだか、ハルにはさーっぱり分かりません。雲雀先生なんかより、国語科担当の沢田先生の方がずっとかっこいいです!(と友達に言ったら全否定されたのでなかなか人前には言いづらいのですが)
とにかく、雲雀先生がこの学校にいる約二週間、絶対ケガや病気はしません。保健室には絶対にお世話になりません!…そう決意していたのに。今日に限って寝坊をしてしまい、玄関に着いた瞬間にチャイムが鳴ってしまったので慌てて走っていると、階段を踏み外して派手に転んでしまいました。両膝とおでこが流血していたけど、目線の先に教室が見えるのでとりあえず教室に向かうと、ハルの姿を見た友達は悲鳴をあげ、先生にはなぜ教室に来たのかと軽くですが怒られました。
そして今現在。保健室に入ると雲雀先生がいて、ソファーに座らされました。雲雀先生は向かいに座って、ハルの傷をじっと見てきます。ああ早く教室に戻りたいと思っていたその時、雲雀先生が小さく吹き出しました。聞き間違えかと雲雀先生の様子を見ましたが、あきらかに肩が小刻みに震えているのが分かります。
「……あの」
「今まで仮病やわざとつくったと一目で分かるしょうもないケガをした子や空気を読まずに告白する子しか来なかったから、そんなふざけた人間関係しかいない学校なのかと思ってたけど、違うみたいだね」
「……はぁ…?」
「君みたいに高校生にもなってそんな大ケガする子がいるとは思わなかったけど」
「馬鹿にしてますか?」
「うん」
「はひっ!?」
なんて最低な人なんでしょう。それでも先生になりたい人の考え方なんでしょうか。雲雀先生が好きな学校中の人全員に今すぐさっきの雲雀先生の発言を聞いてほしいです。ああもう最悪!ケガはするし目の前は雲雀先生だし遅刻はしなかったものの一限目の授業がちゃんと受けられないし、とんでもないアンラッキーデーです。
「何考えてるのか知らないけど馬鹿丸出しな表情するのやめた方がいいよ」
「……早く消毒してくれませんか痛くて死にそうですむしろ早く教室戻りたいので早急に手当てして下さい」
「…へぇ、君変わってるね」
「こんな所にいるよりも授業を受けた方がマシですから」
確か一限目は沢田先生の授業だったはず。ただでさえ週に三回しか国語がなくて貴重な時間なのに、こんな人と過ごすなんて。早く教室に戻って沢田先生に会いたいです。…だから早く手当てをして欲しいのに、雲雀先生は手を止めてじっとハルを見ています。な、なんですか。怒ったんですか?馬鹿呼ばわりされたこっちが怒りたいですよ。ああ、沈黙が非常に気まずいです。
「気に入った」
「……はい?」
「君のお陰で初めてこの学校に来て良かったと思った」
「はあ、そうですか」
それは良かったですね、と心にも無いことを呟いた瞬間、おでこの傷にぴりっとした痛みを感じました。そして、痛みと同時に生暖かい感触。鼻同士がくっつくぐらいの距離に、雲雀先生の顔があります。え、なに、ハルに一体何をしましたか、今。あまりの驚きで声が出なくて口をぱくぱくしていると、雲雀先生はそれはそれは愉快そうな表情をしました。
「次は膝を舐めてあげる」
end.
初めましてなぼの様。
リクエストして下さった時から今日まで長い時間を待たせてしまい、本当に申し訳ありませんでした。
何か雲雀が変t(ry)雲ハルというより雲→ハルっぽいな…。ツナまで勝手に教師にさせてごめんなさい。
素敵なリクエストありがとうございました。おきに召さない所がありましたらお手数ですが報告お願いします。
(2012.01.03)
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