復活!/book1
□狡い人
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【狡い人】
「……はひ…?」
「…ふぅん。またあの変なバズーカに撃たれたんだ、ハル」
はい。確かにハルはランボちゃんが間違えて撃ってしまった十年バズーカに当たってしまいました。…が、ここはどこなんですか?しかも、どうしてハルはベッドに…しかも、知らないお兄さんの隣に座っているんでしょうか?
「そんなに緊張しなくていいよ。五分経てば元の世界に戻るから」
お兄さんはハルの頭を優しく撫でて下さりました。はひ?それにしても、このお兄さんはいったい誰なんでしょうか?十年バズーカも、ハルの事を知ってますし。何だかミステリアスです。
「そういえばハル。お菓子があるんだけど、食べる?」
お兄さんがスーツのポケットから取り出したのは、苺ミルクのキャンディでした。
「ハルが食べてもいいんですか?」
「いいよ。いたずらされたくないし」
「はひ?」
いたずら…?ああ、そういえば今日はハロウィンでしたね!確かハル、リボーンちゃんにお菓子をあげていた時に、ランボちゃんが来て、ランボちゃんがリボーンちゃんに撃ったバズーカが、ハルに当たっちゃったんですよね。
包み紙を開けて口の中にキャンディを入れると、まったりとした甘みが口いっぱいに広がりました。
「美味しい?」
「はい、とっても!」
「そう。ならハル、僕にもちょうだい?」
「……へ?」
「トリックオアトリート、でしょ?」
早くちょうだい、とでも言う様な目でお兄さんはハルを見つめています。…ま、まずいです。お菓子はリボーンちゃんに全て渡してしまったので、ハルは今、お菓子を一つも持っていないのです。
「持って無いんだ?」
「は…はひ。ごめんなさいお兄さん…」
「じゃあいたずらだね」
「へ?…っきゃ!」
いきなりお兄さんは、ハルをベッドに押し倒しました。今、ハルの目の前には真っ白な天井と楽しそうなお兄さん。…は、はひ!?何なんですか、この状況は。
「お…っお兄さん?」
「心配無いよ。ただ、君からお菓子を貰うだけ」
ふ、と一瞬だけ優しく笑ったお兄さん。その瞬間、今まで経験したことが無い変な感触が、ハルの唇に触れました。
「………っ!?」
end.
ぼふん、と爆発音と白い煙と共に、ショートヘアの女が、今までハルがいたベッドの上に現れた。そして、今までベッドの上にいたハルは、爆発音と共に消えてしまった。
「…何を食べているんですか?恭弥さん」
「さぁ?確かめてみるかい?」
「結構です」
元の世界に戻ったハルは絶叫してるでしょうね。
一日遅れてすいません。
後半こんなつもりじゃ無かったのにorz
(2009,11,01)
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