灰男/book*
□理解不能
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【理解不能】
初めて神田と2人っきりで行く事になった任務。
(付き合ってる事、兄さんには秘密にしてて良かった。
…知ってたら、一緒の任務になんか行かせてくれないもの;)
任務の内容は、怪盗Gを捕まえる事だった。
(神田の足を引っ張る事はしたくない…。)
私は小さな声で「よし!」と呟き、気合いを入れた。
「どうかしたか?」
「あ…ううん。何でも無いよ」
「そうか。…無理するなよ」
「!…うん。ありがt「キャッ!すみません」…え?」
神田が1人の女性とぶつかった。(わ、綺麗な人…)
「気をつけろ…どけ」
「やんvオレ様?オレ様?」
――え?
な、何この人…しかも2人の距離が凄く近い…(それより、いつまで神田の事見つめてるのよ!?;)
「お…お前がエミリアの男かあ〜っ!!!」
「あ゙ぁ?」
――えぇ!?;
ガルマー警部…何言ってるの?って神田は睨みすぎだし…!エミリアさん(だよね?)は神田に近すぎだし…
(あぁもう!どうすれば良いの?;)
私が呆然と3人を見ていたその時、(内心はパニックなんだけどね;)神田が私の腕を自分の方に引っ張った。
――チュッ
おでこに、柔らかなものが触れたのを感じた。そして、小さなリップ音が聞こえてきて……って、
え゙!?
「警部!!またまた怪盗Gが現れました!」
「おい…直ぐに案内してくれ」
「はっ!こっちです!」
「行くぞ、リナリー」
「え、あ…っうん!」
私は、走り始めた神田の後ろを追いかけた。
…ちらりと後ろを見れば、顔を真っ赤にしながらその場に固まっているエミリアさんとガルマー警部が、私の目に映った。
(〜〜っ神田の馬鹿!;)
――それから怪盗Gが捕まるまでの数日間。
私はエミリアさんとガルマー警部の目を見てちゃんと話す事が出来なかった…
(――それにしても。
何で人前でキスなんかしたんだろう?;もしかして、見せつけたかったとか?……まさか、ね。)
(ほんと…分からない;)
end.
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