復活!/book1
□答えは単純
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【答えは単純】
「王子優しいから、ハルが欲しいのを選ばせてあげる」
「……あの、ベルさんには悪いんですけど、」
「は?まさか、こん中に欲しい物無いとか?」
「はい…」
マジであり得ない。
つい最近、ハルが食べてみたいって言ってた高級チョコレートに、高級ブランドのバッグ、宝石を使ったアクセサリーなど、とにかく女が貰って喜びそうな物をたくさん用意した。なのにハルは、どれもこれも欲しくないと言って断った。
「じゃあハルは何が欲しいわけ?」
「はひー…」
ハルは首を傾げて、自分が欲しい物を考え始めた。
俺だって、テキトーに物を選んで買ってきたわけでは無い。一応オカマに、女が好きなブランドや物を聞いてから買った。それなのにどれもいらないなんて…ハルは何が欲しいんだ?
「…思いつきました!」
「ん?」
「ハルは、ベルさんの愛が欲しいです!」
は?何言ってんのこいつ。一瞬冗談かと思ったけど、本人は本気で言ったみたいだし。高級品より愛が欲しいなんて、ちょっとおかしいんじゃね?
「チョコレート、食べたくないの?」
「いらないです。ハルはナミモリーヌのチョコレートケーキで満足してますから」
「あっそ」
「それに、ハルはお金が無くても愛があれば生きていけますもん」
俺に向かってにこりと微笑むハル。馬鹿じゃね?って言ってやりたい所だったけど、ハルらしい発言だったから言うのはやめた。金より愛なんて俺には理解出来ないしおかしいと思うけど、こいつが愛より金を選ぶワケが無いもんな。
「だから今日は、いつもよりハルに優しくして下さいね」
「ハルはそれでいーの?」
「もちろんです!」
俺は半信半疑で、微笑んでいるハルを軽く抱きしめてやると、ハルは嬉しそうな表情をしながらすぐに俺を抱き返してくれた。
高級品を貰うより、こんな簡単な事で喜ぶハルは変わってる奴だと思う。けど、今日はハルの誕生日だし。あんまり納得いかないけど、こいつの好きな様にしてやろっかな。…シシシッ。
end.
ベル分からぬ。←
色々と大雑把でごめんなさい。
(2010.05.09)
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