復活!/book1

結果オーライ
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【結果オ-ライ】




三日はハルの誕生日だ。ちょうど休日と被ってるし、その日は一緒に過ごそうと前から約束していた。ところが、監督がその日に他校との練習試合を入れてしまい、一緒に過ごす事が出来なくなってしまった。
約束を破ってしまい申し訳無い気持ちでいっぱいになった俺は、二日の夜にハルの携帯に電話をかけて、ハルに謝罪をした。
ハルがもし泣いちまったらどうしようかと心配していた俺だったが、そんな心配は全く必要無くて、むしろハルは笑っていた。


「ハルは全く気にしてませんよ!明日の試合、頑張って下さいね!」

「…おう。サンキューな」

「ノープロブレムです!明日、皆さんを誘って応援しに行きますからね!」

「ははっ!なら頑張らねーとな」


ハルは凄く生き生きしていて、明日の試合を楽しみにしてくれている。俺にとっては有難いくらい凄く嬉しいけど…明日の主役はハルなのに、俺に合わせてばっかで何だか悪いよな。


「多分昼ごろには試合は終わるからさ、終わったらどっか行こうぜ」

「はひ!?だ、駄目ですよ!山本さんはゆっくり休んで下さい」

「いや、そっちの方が駄目だろ。…それにさ、ハルに何かあげたいしさ」


半日ぐらいしか一緒に過ごせないけど、今年のハルの誕生日は明日しか無いんだし。少しくらい、誕生日らしい事はしないと駄目だよな。それにさ、こんな時ぐらい彼氏らしい事してやりてえじゃん?


「それって、プレゼントって事ですか?」

「まあ、な」

「…じゃあ、山本さんにお願いがあります」

「ん?」

「明日の試合で、ホームランを打って下さい」


駄目ですか?と尋ねてくるハル。いやいや、俺的にそんなのがプレゼントで良いのかと思ってしまう。
ホームランを打つのは簡単な事では無い。けれど、年に一度の誕生日プレゼントを形に残る物にしなくて、ハルは本当にそれで良いのか?逆に、俺に気を使ってるんじゃ…。


「物じゃ無くていいのか?」

「はい。…ハルが思うに、山本さんがもしホームランを打って下さったら、とても記憶に残る誕生日になると思うんです。だから、」


頑張って下さいね。と、とても穏やかな声でハルは言った。…うん、これは絶対打たなきゃいけねえよな。と言うか、ハルのために打ちたい。
アクセサリーやお菓子は誰でもプレゼント出来るけど、ホームランは野球をやってる俺しかプレゼント出来ない。…これって何だか特別に感じねーか?


「分かった。ホームラン、期待してろよな」

「ふふっ、ありがとうございます。…はひ!大変です、もう十二時です!早く寝ないと…」

「そうだな、試合始まるの午前中だし。…!」

「それでは山本さん、おやすみなさ」

「ハル!」

「はひ!?」

「誕生日おめでとう」


end.





微妙ですね分かります。←


(2010.05.04)



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