復活!/book1
□溺愛
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【溺愛】
「ハル、おいで」
「……はい」
両手を広げている雲雀さんの胸に顔を埋めると、そのまま雲雀さんに抱きしめられました。良い子だね、とハルの耳元に呟きながら、ハルの頭を優しく撫でている雲雀さん。まるで犬の様な扱いを受けているハルですが、ハルはこの時がとってもハッピーなんです。
だって、クールでデンジャラスなあの雲雀さんが、こんなにハルに甘えてくれるんですよ?
いつもはハルだけが、大好きです!って気持ちを伝えてるんですけど、この時だけは違います。
「ハル」
「はい」
「好き」
ほら!聞きましたか今の!
たまに、雲雀さんは本当にハルの事が好きなのかと不安になる時がありますが、今のですぐに不安な気持ちが吹っ飛んじゃうんです。
ハルにとっては、お互いの気持ちの確認が出来るこの時が、とても大切なんです。
「雲雀さん」
「何?」
「好きです」
「…知ってる」
「はひ、」
ハルを抱きしめている雲雀さんの両手の力が、先程よりもだんだん強くなっていきました。…ちょっと苦しさもありますが、それよりも今は嬉しい気持ちでいっぱいです。
今まで宙ぶらりんでいたハルの両手を雲雀さんの背中に軽くそえると、雲雀さんは小さく笑いました。
…何て、愛しいのでしょうか。
end.
甘ったるいのを目指して。
(2010.05.01)
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