復活!/book1
□笑顔を見せて
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「えーっと…じゃあ、モンブランとガトーショコラ」
「はい。かしこまりま」
「やっぱ待った!…ショートケーキ追加で!」
【笑顔を見せて】
(※山本中心です)
「実は俺、ちょうど一週間前、ハルに告白されたんだけど…フッたんだ」
いつかはこんな日が来ると思ってた。けれど、こんなにも早く来るとは思ってなかったんだ。暗い表情をしながら話してくれたツナに、ツナの話を黙って聞いていた獄寺。あの時の空気は凄く重苦しくて、もう二度と味わいたくないと思うほどだった。…そんな時、俺の頭の中ではある事が浮かんでいた。それは、ここ一週間、誰もハルの姿を見ていないということだ。
もしかしてハル、ツナにフラれたのがショックで立ち直れてないんじゃ…と心配になってきた俺は、部活後、ハルの家に行って直接会ってみることにした。
笹川に地図を書いてもらい、俺はその地図を見ながらハルの家に向かった。
家に向かっている途中、ハルが好きなケーキ屋が目に入ってきた。突然家に来たくせに手ぶらなのは失礼だよな…と思った俺は、店に寄ってケーキを買った。男一人でケーキ屋に行くのは少し恥ずかしかったけど、ハルのことを思えば恥ずかしさはすぐに消えていった。
「…ここ……か?」
地図に書いてあった場所にたどり着いた俺は、真っ先に表札に目を向けた。…よし、三浦って書いてある。
ハルの家にちゃんとたどり着けた事に安心しながら、俺はインターホンのボタンを押した。
「はい。どちら様ですか?」
「ハル…だよな?山本だけど、分かるか?」
「はひ!?」
ハルの声聞いたの久々だな…と思ったその時、閉じていたドアが開いたのと同時に、驚いた顔をしたハルが出てきた。そりゃそうだよな、連絡無しに急に来たうえに、部活帰りに寄ったから時間だって遅いし…。
「突然ごめんな」
「い、いえ!それよりどうして…」
「これ、突然来ちまった詫び」
さっき買ったケーキを渡すと、ハルは暫くの間ぽかんと口を開けながらケーキを見ていた。そして、眉を軽く潜めながらハルは俺に目線を向けた。
「ツナさんから、聞いたんですね?」
「え…」
「わざわざありがとうございます。ハルは、大丈夫ですから」
そう言った後、ハルは俺に向かってにこりと微笑んで見せた。その時の笑顔は何だか痛々しくて、少し胸が締め付けられた。ハルの顔をよく見てみると、目元が赤く腫れているのが分かった。軽く触れてみると、ハルは驚いて、まばたきを何回もしていた。
「あ…腫れてるの分かっちゃいました?」
「なあ、ハル」
「はひ?」
「辛い時はさ、遠慮なく頼れよな」
触れていた手をそっとはなすと、ハルはさっきの痛々しい笑顔とは違う、いつもの自然な笑顔を俺に向けながら、小さな声でありがとうと言ってくれた。
「…やっぱハルは笑顔が一番だな」
「はひ?すいません、今聞き取れなくて…」
「ははっ、何でもねーよ」
end.
「今日はケーキパーティーです。こんなにたくさん貰えるなんて、ハルはハッピーです」
「や、ハル、たくさんって言うか三つしか入ってねえんだけど…」
「獄寺さんもケーキを持ってきて下さったんですよ」
「…は?」
と言う事は何だ?獄寺も俺と同じ様に、ケーキを持ってハルに会いに来たって事か?しかも俺より先にハルの家に来ているとは…な。
「ははっ、負けらんねーな」
「何をですか?」
「ハルには秘密」
「…はひ?」
gdgdすぎて酷い。
友情っぽいけど、一応山本と獄寺はハルに片想いをしている設定です。獄寺喋ってなくてごめんなさい。
山本が分からぬ…orz
(2010.04.18)
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