復活!/book1
□聞いてませんけど
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【聞いてませんけど】
今日のクラス当番だった俺は、放課後、当番の仕事の机の整頓と掃き掃除をさっさと終わらせて、早く家に帰ろうと思っていた。
そんな時、獄寺くんと山本が俺の仕事を手伝うと言ってくれた。二人に悪いと思いながらも、三人でやれば仕事が早く終わるのでお願いする事にした。
ところが、掃除をして間もなく、何故か二人の口論(と言っても、獄寺くんが一方的に山本に色々と言い付けていて、山本が笑って流すといういつもの状況だけど)が始まってしまった。止めても無駄だと分かっている俺はそんな二人を放って置いて、黙々と机の整頓をしていた。…そんな時、俺達の前に雲雀さんが現れた。
「君たちうるさいよ。しかも群れすぎ」
「ひぃっ!す、すいません雲雀さん!」
「あぁ?んだとてめぇ」
「ちょ、獄寺やめとけって」
「…咬み殺す」
「んなーっ!?」
そんなこんなで、雲雀さんがトンファーを持ちながら俺達に襲いかかってきた。
一番最初に殴られたのは俺。殴られたのと同時に体が吹っ飛び、せっかく綺麗に整頓した机にぶつかってしまい、その机の周辺はぐちゃぐちゃになってしまった。
次に殴られそうになったのは山本…だけど、山本は持っていた箒を使ってトンファーから自分を守っていた。
獄寺くんも手に持っていた箒で自分を守ったり、雲雀さんに向かって振り回していた。が、雲雀さんは一回も箒に当たったりはしなかった。
俺は床に倒れながら、三人の姿を見ていた。…ああ、せっかく整頓した机がどんどん倒れていく。そして、獄寺くんと山本が振っている箒に付いていたホコリがたくさん空中に舞っているのが見えた。…何だこれ、最悪だよ。
「ちょっと…何してるんですか皆さん!」
そんな最悪な状況を止めてくれたのは、突如現れたハルだった。
「な…ハル!?」
「はひ!ツナさん大丈夫ですか!?」
すいません、とハルは頭を下げてたくさん謝りながら、倒れていた俺を起こしてくれた。そして、倒れている机を避けながら、三人の方へと足を進めて行った。
「ちょ、ハル危な…」
「止めないで下さいツナさん!」
「は、はい…」
ハルは三人の前に立つと、ハルはまず最初に、獄寺くんと山本くんに目線を向けた。目線を向けられた二人はハルの迫力に圧倒されていた。
「ごめんなさい!ハルがもっと厳しく言えばこんな事にはならなかったのに…」
「は……はぁ…?」
ハルはさっき俺にしたように、二人に向かって頭を下げながら謝っている。そんなハルの行動に、二人はただただ驚いていた。そしてハルは恐ろしい事に、雲雀さんを睨み付けたのだ。
「ちょ、ハ…」
「雲雀さん!ハルが昨日注意したこと、忘れちゃったんですか?」
「…忘れてないよ。僕は悪くない」
「トンファーを使ってる時点で悪いです。…全くもう!応接室に行っても雲雀さんがいなくて、嫌な予感がしたので探してみれば、この有り様ですか」
「群れていたあっちが悪い」
「自分の罪を認めて下さい!もうっ、応接室に戻って来て下さい。…ツナさん、獄寺さん、山本さん。本当にすいませんでした」
ハルはその場で俺達に頭を下げた後、雲雀さんの腕を掴んで教室を去っていった。教室に残された俺達は、今までの事に頭がついていけず、暫しの間沈黙が続いた。
「…取り敢えずさ、片付けようぜ」
「お、おう…」
「そ、そうだね」
山本の一言で我にかえった俺と獄寺くんは、悲惨な状態の教室を元通りにするべく、まだ混乱したままの頭で作業を始めた。
end.
「ハルちゃんと雲雀さん?付き合ってるって有名だよ?」
「んなーっ!?」
次の日の朝。
京子ちゃんから教えてもらった二人の関係に、俺の頭は再び混乱することになる。
これは酷い。
最初から最後までgdgdでごめんなさい。
(2010.03.07)
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